イバラカンザシ

2013年2月9日土曜日

Spirobranchus Blainville 1818 山川

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和名:イバラカンザシ
学名:Spirobranchus giganteus   (Pallas) 
2013年2月14日 沖縄本島 山川 -2m 21℃ 3cm

英名「クリスマスツリー・ワーム」は多毛類(ゴカイ類)の動物で
オスとメスがあります。

イバラカンザシはどのぐらい生きるのでしょうか?
 一説には平均10年~20年、長いもので40年ほども生きるようです。
その寿命もホストであるコブハマサンゴに大きく影響されるのでしょう。

クリスマスツリーのようになっているキレイな部分(鰓冠さいかん)は
さまざまな美しい色彩があるため
水中写真の被写体としても人気があります。
しかし、この部分はゴカイの頭に付いている触手が発達した部分なのです。
これは、呼吸と餌を採ることに使われています。
この鰓冠は、殻蓋(かくがい)と呼ばれる棲管の蓋を挟んで
左右同じ色のものが2つ並んでいます。(違う色はないんですかね?)
そして、この鰓冠はそれぞれ右巻きと左巻きになっているんですね。
(これって、左右逆だと穴に収納しやすいんですかね?)

2013年2月14日 沖縄本島 山川ビーチ -2m 21℃ 3cm


2013年2月14日 沖縄本島 山川ビーチ -2m 21℃ 3cm



2013年2月14日 沖縄本島 山川ビーチ -2m 21℃ 3cm





2013年2月16日 沖縄本島 崎本部 -2m 21℃ 1cm

大きくて美しい色彩のイバラカンザシは被写体として人気があります。
しかし、小さな子供のイバラカンザシはあまり目に留まりません。
上記の写真はイバラカンザシの小さいものです。
まだ、管の部分がサンゴに覆われていない状態です。


2013年2月16日 沖縄本島 崎本部 -2m 21℃ 3mm

白い部分は通常のイバラカンザシ、1つのカンザシでおよそ2cm程度
あります。  一方、右側にあるのが小さなイバラカンザシ、1つのカンザシ
で3mm程度でしょうか? 大変小さいものです。



2013年2月16日 沖縄本島 崎本部 -2m 21℃ 3mm

上の写真の黄緑色の部分は、ゴカイが入っている管です。
ハマサンゴの上にくっついたゴカイの幼体が、石灰質の管を作り、その管を
ハマサンゴが覆っていきます。 イバラカンザシはハマサンゴに穴を開けるのではなく
サンゴの表面に管(写真の黄緑色)を作って、ハマサンゴが出していると思われる物質
(ピンクの部分)で覆われていくのですね。



2013年2月16日 沖縄本島 崎本部 -2m 21℃ 3mm

この写真は、カンザシ部分が全て閉じたときの状態
中央部分が小さなイバラカンザシです。


2013年2月16日 沖縄本島 崎本部 -2m 21℃ 2mm

さらにモット小さなイバラカンザシを見つけました。
下記は拡大写真です。



2013年2月16日 沖縄本島 崎本部 -2m 21℃ 2mm

こちらの中央に2つのイバラカンザシの管が映されています。



2013年2月16日 沖縄本島 崎本部 -2m 21℃ 1cm

イバラカンザシとコブハマサンゴの境目の部分に、ピンク色の物質を
見ることがよくあると思います。 このピンクの物体はいったい
なんなのでしょうか?  上記の写真は、左側がコブハマサンゴ
右側がユビエダハマサンゴです。

この2つのサンゴの間にも、ピンクの物質が見て取れます。
これは推測ですが、
ピンクの物質はハマサンゴが他を取り込んでしまうための
下地になるような物質なのではないかと思います。



2013年2月16日 沖縄本島 崎本部 -2m 21℃ 1cm

さて、そうするとコブハマサンゴに舞い降りたばかりのイバラカンザシの幼体
はどのようなものなのでしょうか?
これも推測に過ぎませんが、上記のような小さなピンクの部分がそうなのでは
ないかと考えています。



2013年2月16日 沖縄本島 崎本部 -2m 21℃ 1cm

コブハマサンゴの表面を良く観察すると、イバラカンザシ以外にも
住み着いている生物がたくさんいます。
上記の穴からは鰓のようなものが飛び出し、プランクトンが絡まっている
のがわかります。  先ほどのピンクの点はイバラカンザシではなく
このような他の生物かもしれません。



2013年2月14日 沖縄本島 山川ビーチ -2m 21℃ 

この管も、まだハマサンゴの上にできたばかりのもののようです。
初めはこれはイバラカンザシではないかと思っていましたが・・・




2013年2月14日 沖縄本島 山川ビーチ -2m 21℃ 

どうやら、上記のような他の生物のようでした。
これもゴカイの仲間ではないかと思うのですが、棲管から鰓管は出さず
ずっと、このままの状態でおり、管の中に新鮮な海水を
呼び込んでいるのではないかと思われます。
蛇足ですが、観察の途中、顆粒状の糞を5~6粒放出しました^^
ちょっとビックリしました。




----------------参考情報----------------------------------------------------------------------

イバラカンザシは棲管(せいかん、定住場所となる管)をハマサンゴなどに埋め込んで定住生活しています。棲管は石灰質でできており、これもカンザシゴカイ科共通の特徴です。サンゴに穴を空けながら成長しているわけではありません。

「イバラカンザシの定住はイシサンゴに悪影響をほとんど与えない」という説がありますが、定かではありません。死んだイシサンゴに定住することもあるが、生きているイシサンゴを好む傾向にあるようです。
イバラカンザシがたくさんいるハマサンゴと、そうでないハマサンゴがある場合、多くのイバラカンザシが生息するハマサンゴの方が健康で、長生きするといえるかもしれません。

棲管の年間成長速度は平均0.6ミリメートル(たぶん直径)、棲管の直径は推定年齢12歳のもので7.4mmだそうです。 それによると10~20年程度のものが多く、沖縄では推定年齢40年の個体も見つかっています。 繁殖期は夏です。


定着した幼生が石灰質の棲管と呼ばれる体を入れる管を形成しながら成長し始めると、サンゴはそれを取り囲むように成長し続ける。結果として棲管はサンゴの骨格中に埋没し、色彩変異に富んだイバラカンザシの鰓冠(さいかん)だけが外部に出るということです。 鰓冠は、頭部の触手が変化したもののようです。
イバラカンザシは鰓管上の繊毛で水流を起こしながら、呼吸すると共にプランクトンなどを採食している。また、水流などに反応するほか、光の変化にも反応するため、近づくときには自分の影が、イバラカンザイにかからないように、近づく必要がある。

イバラカンザシの蓋には4本の棘状の突起があり、これがイバラのいわれのようです。

イバラカンザシが死んだ後残った棲管には、カンザシヤドカリやギンポなどの小魚が入り込んでいます。

参考文献1

----------------参考情報----------------------------------------------------------------------

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